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医療システムについて

日本の医療制度

今回は日本の医療制度を説明します。

日本の医療制度世界一であると

評価されています。

どうしてそんなに評価されているのか、

私はいつでも、誰でも、平等に医療を受けることができるように作られた制度だからだと、思っております。

医療保険制度とは(概略)

医療保険制度の特徴として、

国民皆保険、フリーアクセス、現物支給などが挙げられます。

♦︎国民皆保険
日本の医療システムは、安心して医療を受けられるように国民全員が公的医療保険に加入し(家族も加入者の扶養家族としてカバーされる)、一人ひとりが保険料を出し合い、助け合うことによって支えられています。

♦︎フリーアクセス

患者さんは保険証1枚さえあれば医療機関を自由に選ぶことができます。、

♦︎現物支給

窓口負担だけで診療や薬の給付など、必要な医療サービス(現物支給)を平等に受けることができます。 

国民皆保険について

日本は、生まれてから死亡するまで誰もが公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」を採用しています。 

公的医療保険は、私たちが病気やケガをした際の医療費の給付があり、自己負担は1割~3割となります。

日本だと当たり前過ぎてあまりピンと来ないかもしれませんが、アメリカの医療費と比較すると、この制度のよさがイメージしやすいです。 

アメリカには公的医療保険がないため、医療費の自己負担が非常に高額になってしまいます!

例:虫垂炎の医療費 

日本→保険適用で約30万円の費用 

ニューヨーク→すべて自己負担で約152万円以上かかる!! 

このように日本の国民皆保険制度は、安心して医療を受けるためには欠かせない制度なのです。 

公的医療保険の種類 

公的医療保険は、働き方や年齢により加入する保険が異なります。その種類は3つに分類されます。 

●国民健康保険 
  自営業や退職者、無職の人が加入する地域保険 
●健康保険 
  会社員が加入する健康保険組合や協会けんぽ、共済組合などの職域保険 
●後期高齢者医療制度 
  職業にかかわらず75歳以上の方が加入する 

会社に勤めている人やその扶養家族は「健康保険」に、自営業や農家、無職など会社に所属しない人とその家族は「国民健康保険」に加入することになります。

健康保険では傷病手当金や出産手当金が支給されますが、国民健康保険はこれらの保障がありません。

保険料は、国民健康保険の場合、収入や資産、世帯人数に応じて計算された額を世帯主が納めます。

市町村によっても金額が違います。健康保険の場合は、給与水準に応じて計算された額を勤務先と折半となり、給与から天引きされ会社が納めます。 

医療費の負担割合 

公的医療保険の医療費の自己負担割合は、以下の通りです。

一般・低所得者現役並み所得者
6歳未満2割負担2割負担
6〜69歳3割負担3割負担
70〜74歳2割負担3割負担
75歳以上1割負担3割負担

1ヶ月にかかった医療費が高額となった場合には「高額療養費制度」があります。 

→高額療養費制度 :後ほど公開します。 

まとめ

  • 日本の医療保険はいつでも、誰でも、平等に医療を受けることができるように作られた制度
  • 医療保険を利用するためには保険料を納める必要がある
  • 医療費の自己負担は1〜3割
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医療システムについて

介護保険、介護サービスについて

介護保険とは (概略)

介護保険は、介護が必要な方に、その費用やサービスを給付してくれる保険です。

介護保険で受けられるサービスを介護サービスと言います。

制度の運営主体(保険者)は全国の市町村と東京23区(以下市区町村)で、保険料と税金で運営されております。 

介護保険における被保険者は、各市町村の40歳以上の住民です。

保険料 

サービスを受けるには1〜3割の自己負担が必要になります。 (後述)

40歳になると介護保険に加入が義務付けられ、保険料を支払います。 

40歳から64歳までの被保険者は加入している健康保険と一緒に徴収されます。

個別の保険料の決め方には各健康保険組合によって違いがあります。 

例①:協会けんぽや職場の健保、共済組合の医療保険などに加入している場合

給与に介護保険料率を掛けて算出され、事業主がその半分を負担します。 

介護保険料率は健康保険組合によって異なります 

例②:国民健康保険に加入している場合

所得割と均等割、平等割、資産割の4つを自治体の財政により独自に組み合わせて計算され、介護保険料率も異なります。 

所得割は世帯ごとに被保険者の前年の所得に応じて算出されます。 

65歳以上の被保険者は、原則として年金からの天引きで市区町村が徴収されます。

サービスを受けられる被保険者 

介護保険の加入者は以下の2つに分けられます。

第1号被保険者(65歳以上の方) 

第2号被保険者(40歳から64歳までの方) 

ここで注意していただきたい点は、保険料の支払い義務はどちらにもありますが、サービスの対象者 (受給者) は、原則として第1号被保険者だけということです。第2号被保険者は老化に起因する疾病(指定の16疾病)により介護認定を受けた場合に限りサービスの対象となります。

介護保険で対象となる疾病(特定疾病) 

  • 末期がん 
  • 関節リウマチ 
  • 筋萎縮性側索硬化症 
  • 後縦靱帯骨化症 
  • 骨折を伴う骨粗鬆症 
  • 初老期における認知症 
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病 
  • 脊髄小脳変性症 
  • 脊柱管狭窄症 
  • 早老症 
  • 多系統萎縮症 
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 
  • 脳血管疾患 
  • 閉塞性動脈硬化症 
  • 慢性閉塞性肺疾患 
  • 変形性関節症(両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う) 

受けられるサービス (介護サービス)

要介護認定されると、介護保険で以下のような多岐にわたるサービスが受けられます。 

(1)居宅介護支援 

ケアマネージャーがケアプランの作成、家族の相談対応などをしてくれます。

(2)自宅に住む人のためのサービス(居宅サービス) 

訪問型サービスと通所型サービス、短期滞在型サービスに分けられます。

  訪問型サービス:対象者の家を、看護師や介護士などが訪れ、何らかのサービスを提供する

   訪問介護

    生活援助:掃除や洗濯、買い物や調理など

    身体介護:入浴や排せつのお世話

   訪問看護

    医師の指示のもと、看護師が健康チェックや、療養上の世話などを行います

   訪問入浴介護 

    自宅に浴槽を持ち込み入浴介助を受けられます。

   訪問リハビリテーション

    リハビリの専門家に訪問してもらい、自宅でリハビリを受けることができます。

   居宅療養管理指導 

    医師、歯科医師、薬剤師、栄養士などに訪問してもらい、療養上の管理・指導を受けられる。 

    定期巡回・随時対応型訪問介護看護 

    24時間対応型の訪問介護・訪問看護サービスを受けられます。

②通所型サービス :対象者が、違う場所を訪れ、何らかのサービスを受ける

   デイサービス 

    食事や入浴などの支援や、心身の機能を維持・向上するためのリハビリやレク、「おいしく、楽しく、

安全に食べる」ための、口腔清掃や口唇・舌の機能訓練などを日帰りで行う 

デイケア

    施設や病院などで、日常生活の自立のために理学療法士、作業療法士などがリハビリを行う

認知症対応型通所介護 

    認知症と診断された高齢者が利用するデイサービス 

短期滞在型サービス 

    ショートステイ

    施設などに短期間宿泊して、食事や入浴などの支援や、心身の機能を維持・向上するためのリハビリの

    支援など。家族の介護負担軽減や施設入居準備などに利用できる) 

(3)施設に入居するサービス(施設サービス)  

  • 特別養護老人ホーム(特養) 
  • 介護老人保健施設(老健) 
  • 介護療養型医療施設(療養病床) 

それぞれについては後ほど公開します。

(4)福祉用具に関するサービス 

  • 介護ベッド、車イスなどのレンタル 
  • 入浴・排せつ関係の福祉用具の購入費の助成(年間10万円が上限で、その1~3割自己負担することで購入できる) 

(5)住宅改修 

  • 手すり、バリアフリー、和式トイレを洋式にといった工事費用に補助金が支給される。最大20万円まで。利用者はその1割~3割を負担。 

要介護認定の申請方法 

介護サービスを受けるまでの流れを説明します。

①申請を出す 

介護保険サービスを利用するには要支援・要介護認定が必要です。まずはお住まいの市区町村の介護保険担当窓口で申請することから始めます。 

②認定調査 

役所の窓口で日程調整をし、役所から任命された認定調査員が自宅に来てご本人に日常生活の状況を伺い、身体機能のチェックを行います。 

③結果通知 

認定結果が出るまでに1か月程度を要します。 

④ケアマネージャーを探す 

要介護認定にて、要支援と認定された場合は、地域包括支援センターに相談、要介護の場合は、ケアマネジャーに相談します。 

要介護の方は自治体から地域で活動しているケアマネジャーのリストをもらえますので、その中から、自宅との距離などを考えて、連絡をとり、自宅に来てもらい困っている点を相談しましょう。

要支援の方は、お住まいの住所を担当している地域包括支援センターで相談を受け付けてくれますので、相談してみましょう。 

ケアマネジャー

ケアマネジャーとは、要支援または要介護と認定された人が、適切な介護サービスを受けられるようにするため、介護サービス計画(ケアプラン)を作成したり、要介護者が必要なサービスが受けられるよう、サービス事業者へ手配をしたり、介護認定申請の代行等を行ったりします。 

ケアプランが決まると、それに基づいてサービスが受けられます。 

「ケアマネージャーについて詳しく」:後ほど公開します。

介護予防にも利用できる予防給付 

介護認定で要介護1~5よりも介護度が軽い場合、要支援1または2という認定になる事があります。 

要支援1や2の方は、「少し支援すれば自立して生活できる人」という判定なので、身体機能の低下を予防して要介護にならないために、予防給付というサービスが受けられます。 

予防給付でも訪問介護や、デイサービス、一部の福祉用具のレンタルや住宅改修などが利用できます。 

自己負担も1割~3割で同じです。ただし、支給限度額が要支援の場合は要介護の場合より低く設定されています。 

自己負担の割合

介護保険は必要な人が使えるように、保険料と税金で運営されています。そして、所得により、1割から3割の自己負担があります。 

現役並に所得のある高齢者は、介護保険利用時の自己負担割合が3割になります。 

今まで2割負担だった方のうち、単身者の場合、年金収入などが340万円以上(年金収入のみの単身者だと344万円)の人が3割負担となります。 

介護保険には、1か月に利用できる上限金額がある 

介護保険には、介護度に応じた支給限度額があります。この範囲内でケアマネジャーはケアプランを作成します。 

介護度が重いほど限度額が大きくなります。それ以上のサービスを受けたい場合は、全額自己負担となりますが、受けられないということではありません。 

下表が介護度に応じた支給限度額表です。介護保険は点数制ですが、下表は1点10円で換算しています。1点の単価は10~11.40円で、賃金の地域差により決まっています。 

介護度別・支給限度額(月間) 

介護度 給付限度額 1割負担額 
要支援1 50,320円 5,032円 
要支援2 105,310円 10,531円 
要介護1 167,650円 16,765円 
要介護2 197,050円 19,705円 
要介護3 270,480円 27,048円 
要介護4 309,380円 30,938円 
要介護5 362,170円 36,217円 
介護度 2割負担 3割負担額 
要支援1 10,064円 15,096円 
要支援2 21,062円 31,593円 
要介護1 33,530円 50,295円 
要介護2 39,410円 59,115円 
要介護3 54,096円 81,144円 
要介護4 61,876円 92,814円 
要介護5 72,434円 108,651円 

上記表のように、介護度が高くなると、必要な介護も増え、費用も高額になっていきます。年金の中から毎月これだけの費用を払うのは大変な家庭もあると思います。 

負担限度額認定とは? 

収入や資産が少ない家庭などを対象に、介護保険施設を利用する場合の食費と住居費に対して負担限度額認定制度があります。 

認定されると認定証が発行されます。これにより、支払限度額以上の支払いを免除されます。認定証はお住まいの市区町村に申請して発行してもらいます。 

 

●地域包括支援センター 

地域包括支援センターは市区町村に1ヶ所以上設置されており、社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーといった専門家が地域内に住む高齢者の「総合相談」「介護予防」「サービスの連携・調整」などの業務を行っています。 

まとめ

  • 介護保険は、介護が必要な方に、その費用やサービス(介護サービス)を給付してくれる保険です。
  • 介護サービスを受けるためには介護申請をしましょう。
  • サービスを受けるには1〜3割の自己負担が必要ですが、収入が少ない場合には負担限度額認定制度が利用できます。