みなさん、こんにちは、Kussunです。
今回から何回かに分けて大腿骨近位部骨折についてお話しします。
本日は序章として、大腿骨近位部骨折とは?についてお話しします。
大腿骨近位部骨折とは
まず、「近位」とは「頭側の」という意味です。
対照的に「遠位」とは「足側の」という意味です。
つまり大腿骨近位部骨折とは「大腿骨(太ももの骨)の頭側の骨折」ということになるます。
もっとわかりやすく言えば「大腿骨の股関節周囲での骨折」を総称して大腿骨近位部骨折と呼びます。
大腿骨近位部骨折の特徴
骨粗鬆症で骨が脆くなった高齢者に多いです。
日本では年間およそ12万人が受傷しております。
みなさんにも聞き馴染みがある心筋梗塞の年間発症者がおおよそ6万人であることを考えると、決して珍しい病気ではないですよね?
特に高齢者家族と同居している方は遭遇することが多いため、知っておいた方が良いでしょう。
今回、私が一番お伝えしたいことは
診断、入院治療、退院調整にはご家族の協力がとっても重要!!
ということです。
→参考:ご家族にやってほしいこと
診断について
この骨折を契機に動けなくなり、ご家族が発見、救急搬送されるパターンが最も多いです。
転倒(尻餅)が原因となることが多いですが、高齢者は骨粗鬆症を伴っていることが多く、骨が脆くなっているため、軽微な外傷(ちょっと脚を捻ったぐらい)でも発症することがあります。
また、認知症があると痛みの訴えがはっきりしないこともあり、発見が遅れる可能性もあり注意が必要です。
高齢者が転倒して歩けなくなったり、股関節周囲を痛がれば、大腿骨近位部骨折を疑い、すぐに救急車を呼んでください
治療
全身状態が手術に耐えうるなら手術を行うことが基本です。
♦︎手術を行う根拠
大前提として、大腿骨近位部骨折をすると歩けないため、骨がくっつくのを待っている(期間としては2〜3ヶ月)と寝たきりとなってしまいます。
寝たきりというのはかなり厄介です。
寝たきりになると、筋力は弱り、また物を飲み込む力(嚥下と言います)なども落ちるため、肺炎などの合併症を起こし、高齢者にとっては命取りとなります。
だから、高齢者の大腿骨近位部骨折で手術をせずに寝たきりとなった方の平均余命は半年程度とも言われております。
そのため、手術を早く行い(推奨は48時間以内)、なるべく早期からリハビリを開始することが治療の基本となります。
手術は大きく分けて骨折した骨を引き寄せて金具で固定する骨接合術と人工骨頭挿入術が基本です。
→「大腿骨近位部骨折の手術治療について詳しく」
後ほど公開します。
まとめ
大腿骨近位部骨折の定義、その特徴、診断、治療について、大まかに説明しました。
- 大腿骨近位部骨折は大腿骨の股関節周囲の骨折のこと
- 高齢者に多い骨折です。
- 治療は手術が基本
- 診断、入院治療、退院調整にはご家族の協力が不可欠